最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)990 決定
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人小泉英一の上告趣意は末尾添附別紙記載のとおりであり、原判決における
「論旨第二点は原判決の援用しない資料を基礎として原判旨に副わざる事実を主張
するに過ぎないのであるから、これ亦採用に値しないものと云うの外はない」との
判示は、その字句だけを採つて見ると所論の様に刑訴第三八二条の解釈を誤つた感
がないではない、しかし原判決は右字句の直前に「記録を精査してみても原判決の
事実の認定に誤ありとする跡を発見することが出来ないのであつて」と判示して居
り、なお他の場所にも「原判決挙示の証拠を以てすれば原判示事実は証明され得る
のであつて、原判決には証拠理由に不備の廉あるを見ない」といつて居り事実誤認
の主張に対しては十分審理判断して居るのである。それ故冒頭記載の様な瑕疵があ
つたとしても判決に影響を及ぼさないこと明であり、論旨は総て要するに憲法第三
一条違反をいうけれども実質は刑訴第四一一条適用の事由を主張するに過ぎず上告
適法の理由とならないものである。また記録を調べても右第四一一条を適用すべき
理由を見出し得ない。
よつて刑訴第四一四条、三八六条一項三号に従い裁判官全員一致の意見で主文の
とおり決定する。
昭和二八年六月三〇日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
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裁判官 本 村 善 太 郎
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